大型クルーズ客船2隻 来月の白老港寄港中止 新型コロナ感染拡大を考慮

日本クルーズ客船の「ぱしふぃっく びいなす」

 6月に予定されていた大型クルーズ客船2隻の白老港への寄港が中止となった。13日に商船三井客船(東京)の「にっぽん丸」(総トン数2万2772トン、乗客定員532人)、17日には日本クルーズ客船(大阪市)の「ぱしふぃっく びいなす」(2万6594トン、620人)の寄港が計画されていたが、両社はいずれも新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえて運航を取りやめた。

 商船三井客船は、新潟港発着で白老港と釧路港を巡る「初夏の北海道クルーズ」を6月12~15日を日程として計画。「にっぽん丸」の船内で乗客にブランド牛「白老牛」の料理の提供も企画し、13日に白老港第3商港区に停泊する予定だった。

 しかし、新型コロナウイルス感染者の急増で北海道にも緊急事態宣言が発令されるなど、感染拡大の状況を考慮して21日までにツアーの中止を決めた。

 同社は「クルーズ運航に向けて関係機関と調整を進めていたが、社会状況を鑑みて取りやめることにした」とし、「時期は未定だが、コロナの状況を見ながら、白老寄港の北海道クルーズの企画にまたチャレンジしたい」と言う。

 一方、日本クルーズ客船が運航する「ぱしふぃっく びいなす」は、横浜港発着で6月15~24日を日程とした「日本一周探訪クルーズ」の北海道の寄港先として、17日に白老港第3商港区に入る予定だった。停泊中のオプショナルツアーとしてアイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)見学と白老観光も企画していたが、コロナ感染拡大の影響で最少催行人数に達しなかったこともあって、同社は運航の中止を決めた。

 「ぱしふぃっく びいなす」は昨年も新型コロナの影響で、白老港への寄港を組み込んだ「秋の日本一周クルーズ」の催行を取りやめており、中止は2年連続となった。

 町は大型クルーズ客船2隻の寄港に向け、高校生と町民の吹奏楽演奏やアイヌ民族の儀礼などを取り入れた出港時の見送りセレモニーを計画。準備を進めていた中で、両社から中止の連絡が入ったという。白老港の利用促進へクルーズ客船の誘致に力を入れてきた町は、今回の措置について「残念ではあるが、コロナ禍の現状を踏まえるとやむを得ない」としている。

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