北極海航路年々増加 20年は133隻 苫小牧港への寄港促進図る

北極海航路年々増加 20年は133隻 苫小牧港への寄港促進図る
2019年に北極海航路を利用して苫小牧港へ入港した貨物船。コンテナ貨物の試験輸入が国内で初めて行われた=東港国際コンテナターミナル

 東アジアと欧州を結ぶ海上物流ルート「北極海航路」を利用する船舶が年々増加していることが、道開発局などの調査で分かった。過去に同航路を利用した船舶が苫小牧港に寄港したケースが4回あり、苫小牧港管理組合は同港の利用促進に向け、実績や立地優位性をアピールしていく考えだ。

 同局は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の人工衛星から取得したデータを解析し、北極海航路の可能性を調べている。2020年に同航路を利用した船舶は133隻と、19年に比べ53%(46隻)増加した。15年に27隻だったのが、16年は63隻、17年49隻、18年60隻と、近年増加傾向にある。

 同局は20年に増加した要因として、17年12月に稼働を開始したロシア・ヤマル半島のLNG(液化天然ガス)基地の拠点港を利用するLNGタンカーや、港湾に寄港しないトランジット航行が増えたためと分析。港湾計画課は「夏季は海氷がなく、定時性の高い航行が可能だったとみられる」と説明する。

 北極海航路は、地球温暖化を背景に海氷面積が減少したことから、6~12月に航行が可能なルート。3月に座礁事故が発生したスエズ運河を経由する南回り航路と比較して、航行距離が約4割短く、海賊に襲われるリスクも少ない。

 アジアと欧州を結ぶ新たな選択肢として可能性が高まる一方、海氷と接触しても壊れない高価な耐氷船を用意する必要がある。また、地球環境に大きな影響を与えるとして利用しないと宣言する国際企業もある。

 苫小牧港では19年10月、国内で初めて同航路によるコンテナ貨物の試験輸入が行われた。苫小牧港管理組合は課題を洗い出した上で、苫小牧港への寄港を促したい考えで、「北極海航路は重要な航路の一つで、苫小牧は地理的優位性がある。課題は多岐にわたるが、実績を積み、利便性が高いことをPRしたい」としている。

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