先日、昔お世話になった本屋の店主から携帯電話に着信があった。通話中、「コロナになんて絶対に負けたくない」という言葉が、頻繁に使われることに違和感を感じた。
店主との出会いは学生時代。バイト終わりの明け方、始発まで公園で時間をつぶしていると「寒いからうちに入れ」と声を掛けてくれた。30歳も離れているが意気投合、週末になると場外馬券発売所へ出掛けては、負けた勝ったの言い争いをした日々がよみがえる。
店主いわく、自分が最後に購入した本は「絶対に負けたくない! から始める馬券術」だったという。本を手に「今週は絶対に負けたくない」と連呼する私の姿を思い出すと、コロナ禍で厳しい経営も笑って乗り越えられる気がするらしい。
小さな笑い話が夫婦には助かっていると話す店主は「コロナにもお前にも負けたくない」と言って電話を切った。ただ、元気そうで良かった。コロナが明けたら本を買いがてら会いに行こう。(皓)
















