むかわ町は、新型コロナウイルス感染者や、濃厚接触の疑いなどで自宅隔離が困難だったり同居家族への感染拡大の不安が大きかったりする町民が出た場合を想定し、国や道の協力を得て、受け入れ先となる宿泊療養施設を整備する方針を明らかにした。家庭内感染、市中感染の防止を図り、町民の不安解消につなげるのが狙い。今年度一般会計補正予算案に事業費として240万円を盛り込み、21日に開会する町議会定例会で提案する。
町内で感染が相次いでいる状況を踏まえた緊急措置。2018年9月に発生した胆振東部地震で、支援のために町外から派遣された職員が宿泊した国所有の「鵡川防災拠点合宿所」(町内花園)を借りて有事に備える。道内では、廃止されていた高齢者施設を使って自宅療養患者向けの宿泊施設を整備した新ひだか町の事例がある。
施設の入所対象は、濃厚接触者や低リスク者、あるいは症状が軽度な陽性者で自宅での療養が困難な町民とし、原則介護が不要であることが条件。日常生活品としてテレビや冷蔵庫、洗濯機のほか、空気清浄機、消毒用品、検温器などを配備し、最大3人までを受け入れる。食事の提供は陽性者の場合は道、濃厚接触者、低リスク者については町が独自に行う。
町議会定例会で関連予算が承認された後、早急に整備する予定で、竹中喜之町長は「今の状況を一つの災害として捉え、備えを固めていく。バックアップ施設として感染拡大の防止につなげたい」と話している。

















