市内小中学校 デジタル教科書試験導入 動画、音声併用も便利、ページ拡大「問題、解きやすい」

タブレット上で出題される算数の計算問題に取り組む児童=ウトナイ小学校

 苫小牧市内の小中学校は今年度、紙の教科書の中身を電子化し、タブレット端末などに取り込んだ「デジタル教科書」を試験導入している。図や写真を拡大したり、動画、音声を併用したりできるのが特徴。多彩な機能を生かし、児童生徒の理解度や学習意欲を高める授業を展開している。

 紙と同じ内容をデータ化し、パソコンやタブレット端末で利用するデジタル教科書。ページの拡大、縮小などはもちろん、画面上への書き込みもできる。市内小中学校では2021年度、文部科学省が全国の学校で展開するデジタル教科書の実証事業の一環で、試験導入されている。

 学校によって導入する教科や学年は異なるが市内では小学校23校中5校、中学校16校中12校で1年間実施し、学習効果や課題を見極める。

 苫小牧ウトナイ小学校(丹野靖彦校長、児童数876人)は、全学年の算数の授業に導入。5年生は国のGIGAスクール構想に基づき、昨年度1人1台配備されたタブレット端末を使用している。児童たちはそれぞれ数式が並ぶページを見やすいよう場面によって全体を表示したり、一部のみを拡大したりしていた。

 紙の教科書に載せ切れない練習問題を出題、自動採点する機能もあり、児童が率先して学びを深める場面もあった。

 一方、板書や児童がノートに書き写す作業は継続。宮宅紗良教諭(25)は、黒板横の大型モニターにデジタル教科書を拡大表示しておくことで、「今どの問題に取り組んでいるかどの子もすぐに分かる」と視覚的な有効性を説く。

 熊原椿乃さん(10)は「タブレットで文字や数字などを大きくできるから問題がはっきりし、解きやすい」と笑顔を見せた。

 苫小牧東中学校(五十嵐昭広校長、生徒数262人)は、全学年の英語の授業にデジタル教科書を導入。今月8日の2年3組の授業では、ネーティブスピーカーによる英会話のアニメーションをリスニングに活用していた。

 生徒たちはタブレットで、それぞれが聞き取りやすいよう再生速度を調整し、学びを深めていた。せりふを文字で表示することも可能、その際は発音し終えた部分の色が変わって目で追いやすい。紙の教科書にはない日本語訳の表示機能もある。

 紙屋大助教諭(45)は「映像が単語を推測するヒントにもなる」とデジタル教科書の利点を強調しながら「書くことで、定着する力もある。活用するバランスに気を配っている」と述べた。

 デジタル教科書はログイン用のIDやパスワードを使って家庭で使用することもでき、橘虎冴さん(13)は「リスニングの学習に便利。家でも活用したい」と意欲的だった。

 市教育委員会は、デジタル教科書の本格導入には、多額の費用が必要なため「国の動きも見ながら、必要性をしっかりと検討したい」と話している。

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