苫小牧市の20年度児童虐待 64件減の182件、「心理的」6割

苫小牧市の20年度児童虐待 64件減の182件、「心理的」6割

 苫小牧市が2020年度に通報を受けて対応した児童虐待は、前年度比64件減の182件だった。約6割が心理的虐待で、近隣住民から「子どもの泣き声が長時間聞こえる」といった通報が寄せられるケースも目立った。市は今年度、虐待の未然防止を図るため、小学生から児童虐待防止啓発グッズのデザインを募集するほか、子育て支援講座やシンポジウムの開催などを計画している。

 市は17年度から、受理した児童虐待通報のうち対応方針が決定した時点でカウントする集計方法に変更。全国の児童相談所と同じ方式で、対応件数は虐待被害を受けた子どもの人数と同じだ。

 児童虐待の受理件数は17年度194件、18年度222件、19年度246件と推移。20年度は減少に転じたが、市こども相談課は「継続して対応に当たっているようなケースは集計には含まれていないため、決して楽観視できない状況」と話す。

 20年度に対応した182件のうち、心理的虐待は前年度比15件増の106件。泣き声に関する通報が増えたことや、きょうだいに対する暴力を目撃した子どもも心理的虐待の被害者とみて対応したことが、増加要因とみられる。

 このほか、身体的虐待が39件、食事を与えないなどの養育怠慢(ネグレクト)も37件あったが、性的虐待はゼロだった。

 被害を受けた子どもを年齢別に見ると、未就学児と小学生がそれぞれ約4割を占めた。約3割は近隣や知人からの通報で、虐待者の半数以上が実母だった。虐待や養育者の育児困難などで一時保護された子どもは50人に上った。

 市は子育てに悩む親や児童虐待に苦しむ子どもを一人でも多く減らそうと、今年度は「市子どもを虐待から守る条例」にちなんだ啓発事業に取り組む考え。児童虐待防止の啓発グッズに小学生から募ったアイデアを活用するほか、市民や市職員などを対象とした子育て支援講座の実施、虐待のないまちについて考えるシンポジウムの開催、子育て支援情報を記した支援カードの作成も計画している。

 同課は「一人でも多くの市民に条例の理念を理解してもらい、虐待のないまちづくりを進められるよう、啓発活動に力を入れたい」と話している。

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る