作付け面積日本一を誇る厚真町の特産品ハスカップ。2018年9月の胆振東部地震で、町内の畑4分の1ほどが被災した。しかし、産業や観光などまちづくりに欠かせない貴重な地域資源とあって、官民挙げて復旧・復興に力を注ぎ、さらなる発展をも視野に入れる。今年の厚真産ハスカップはあす24日、苫小牧市公設地方卸売市場に初上場され、観光農園も近く厚真町内でスタートする。
厚真町やとまこまい広域農業協同組合によると、胆振東部地震で同町内のハスカップ畑31・5ヘクタールのうち、約8ヘクタールが土砂に飲み込まれるなど被害を受けた。ハスカップの木約4万2000本を作付けしていたが、2割以上の1万1000本ほどが被災した。
ただ、作付け面積日本一の座は守り、ブランド力も一切損なわれなかった。国や町も地震後、苗木の購入に掛かる費用を半額以上補助し、20年度までに約4200本分の復旧を支援。補助を続ける町産業経済課は「作付け面積も徐々に拡大し、新規の就農者も増えている」と手応えをつかむ。
町内宇隆の山口農園(山口善紀代表)もハスカップの木5000本のうち、1割近い約500本が被災した。09年には新品種「あつまみらい」「ゆうしげ」を登録申請した代表的なハスカップ農園の一つ。長年にわたってハスカップを選抜育種しており、苗木約2000本も土に埋まったが、地震から1カ月後には復旧作業を本格化させた。
災害支援の学生ボランティアらが同農園に入り、山口さん(50)らと手作業で土砂を掘り返し、木を植え替えた。ハスカップは苗木を植え、収穫量が戻るまでに10年かかると言われる中、約3年前に植えた苗木約300本は高さ0・3~1・5メートルほどに育ち、紫色の実を付けている。
19年は復旧途上で、町内には体験型観光、ハスカップ狩り体験を見送る農園もあったが、山口さんは積極的に観光客を受け入れた。「すべては復興のため、厚真のまちおこしのため」と力を込め、今後は「洋菓子店もオープンさせたい」と夢を膨らませる。
昨年からは新型コロナウイルスが猛威を振るい、「一難去ってまた一難か」と頭を抱えるが、ネットショップを開設するなど「今できることをやるしかない」ときっぱり。今年も入場制限などコロナ対策を徹底しながら、ハスカップ狩り体験を展開する予定だ。
厚真産ハスカップはこれから2~3週間が旬。今月下旬から各農園で順次、ハスカップ狩り体験を受け入れる。町観光協会もホームページを使った情報発信を充実させ、原祐二事務局長(51)は「(コロナ禍で)人を呼び寄せにくい状況ではあるが、新しい商品も出てきている。手に取ってもらえるよう紹介していきたい」と意欲を見せる。日本一のハスカップがまちを元気にする。
















