むかわ町穂別地区でヒグマの目撃情報が相次ぐ中、町の男性職員が22日、穂別仁和を車で走行中に1頭のヒグマに遭遇した。その様子がドライブレコーダーに残っており、苫小牧民報社に情報を寄せた。
同日午後8時ごろ、町役場穂別総合支所から鵡川方面に向かって道道穂別鵡川線を車で走行中、左脇に黒い動物が視界に入った。目を凝らして見ると、体長約1メートル余りあるクマで、道路の中央にふらふらと出てきた後、車に気付き、慌てたように草むらに消えていったという。この間10秒ほど。男性職員は「急にごろっとした動物が出てきた。穂別に勤務して5年目になるが、今までクマに遭遇したことはなかったので、びっくりしました」と振り返る。スマートフォンを手に取る余裕はなく、クマが去った後、町役場の担当部署に通報した。
町農林水産課農業林務グループによると、職員が目撃したのは2歳ほどの若いクマとみられる。夏場になると、穂別稲里や農家のハウス、畑に出没して通報が寄せられるが、道路を横断するケースは珍しく、担当者は「親離れしたばかりのクマがうろうろしていたのでは」と推測する。
穂別地区でのヒグマの目撃情報は、昨年6月末時点で1件もなかったが、今年は22日の1件を合わせてすでに5件。全道的に増えている状況を踏まえて町も警戒を強め、周辺パトロールの強化や行政と住民のコミュニケーションツール「IP告知端末」を活用して穂別地区全域にアナウンスするほか、現場付近に看板を設置して注意を呼び掛けていく。

















