競技団体

競技団体

 札幌アイスホッケー連盟が揺れた。2017年冬季アジア札幌大会の競技運営業務受託費残金約880万円を簿外口座で管理していたことが、このほど明らかになった。

 同大会組織委員会からの受託で契約上返還義務はないものの、残金の処理をめぐって長期間放置する状態が続いていた。

 一部の役員が札幌地裁に申し立て、選任された弁護士が調査して、これらの判断をつかさどった理事者の側に「看過し難い問題点がある」と指摘。不適切な会計処理がようやく是正される見通しになったという。後味の悪さを感じ、この件について元競技関係者と語り合った。その人は競技団体のありようとして「大会のような今ある事業を遂行することと同時に、若い世代、子どもたちのため、将来に残る運営指針と基盤をつくり続けねばならない」と言い、組織が襟を正すことを切望した。

 女子アイスホッケー日本代表がカナダ開催された第1回世界選手権に初出場したのが1990年。現在のスマイルジャパンにつながる代表の出発点となった。前後して選手育成と大会整備に深く関わったのが苫小牧の人、元北海道連盟会長で後に女子競技構築者として世界アイスホッケー殿堂入りし、2014年に物故した河渕務さんだ。

 今夏はカナダで同選手権、来冬は中国北京の五輪で女子代表が戦う。30年先を見通す先見性と高い志―。今の競技団体運営を担う、かじ取り役に求められる事柄だと改めて思う。(谷)

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る