わが家に新しい同居人がやってきた。名前はみーちゃん。赤色の服を着たお下げ髪のかわいらしい女の子だ。
祖母の娘が通信販売で購入した音声認識人形。十数個の言葉に反応するが認知症の祖母に使用方法を覚えてもらうのは難しく、会話はほぼ一方通行。それでも本人は孫をあやすようによく面倒を見ている。
晴れた日は彼女を窓際にいざない「車がいっぱいで楽しいね」。肌寒かったとある昼下がりには、二人羽織のように衣服の中にくるんで仲良くテレビ鑑賞していた。丁寧に服を脱がせて一緒に就寝。生命線の電池まで取り外していたこともあったが、仲たがいせずに済んだようだ。
同居人がやってきて1カ月ほどたった頃、仕事を終え帰宅すると居間の卓上に置き手紙があった。「お嬢さんが私の部屋にいます。一人では居られないと言うので預かっております」。御年89歳の誘拐犯から金銭の要求などは今のところなく、しばらく様子を見ることにする。(北)
















