安平町で開講する公営塾「あびらぼ」が、町内小中学校の教員を支援する「センセイサポート」を進めている。教員の働き方改革が推奨される中、授業の一部を依頼に応じてあびらぼのスタッフが考案し、請け負うほか、外部講師とのパイプ役を担い、現場の負担を軽減する効果が期待される。
あびらぼは、2019年から始まった「教えない放課後教室」をうたった子どもの学びサポート事業を展開。その一方で、学校との関係性の構築や連携した取り組みについて模索していた。学校現場ではICT(情報通信技術)を活用した授業などに興味を持っていたものの、日々の業務に追われ、足踏みしている状態だった。
こうした現状を受けて同サポートを昨夏から本格的に始動し、昨年度は3件の依頼に応じた。遠浅小では、遠足の中での体力向上と1人1台端末を見据えたプログラムを考案した。早来小では企業の協力を得ながら、計10時間にわたって番組の制作体験をしてもらう授業を展開。追分小では、オンラインを通じて海外の子どもたちとの会話を楽しむプログラムを提供した。現場からは「たった2回の打ち合わせで面白いプログラムを作成してもらった」「貴重な経験ができた。また一緒にやりたい」といった声が上がった。
今年度もすでに早来、遠浅、安平3小学校合同の見学学習の事前授業や現地案内などを担当。遠浅小の森島新教頭は「準備段階からなかなか手が付けられないところまで内容を深掘りして、授業をしてもらえた。先生方も空いた時間を利用して、別の業務をこなすことができる」と語る。
同事業を進めるあびらぼ代表の河嶋愛基さん(30)は「先生方がこれを機にiPadを使えるようになるなど、今後につながるタネを盛り込んでいけたら。企業や外部にいるプロの力も借りながら、子どもたちに教科書では教えられないことを伝えていきたい」と意欲を見せる。並行して定期的に通信を発行するなど周知活動にも力を注ぎ、「先生方に内容を知ってもらい、利用するイメージを持ってもらえたら」と話している。

















