東京五輪が23日、開幕する。開会式に先立ち、札幌ドームではすでに女子サッカーの試合が21日行われ、日本代表「なでしこジャパン」はカナダと引き分けた。新型コロナウイルスの感染拡大で史上初の1年延期となった上、ほとんどの競技会場が無観客という異例尽くしの大会。苫小牧市民の受け止めを聞いた。
チケット当選も無観客で落胆
美園町の会社員、今村友莉さん(35)は、札幌ドームで開催される25日のサッカー、エジプト対アルゼンチン戦など4試合のチケット購入に当選し、観戦を心待ちにしていた。9日夜に有観客試合の発表があり、インターネットでグッズを探すなど楽しみにしていたところ、10日に一転して無観客が決まった。
「オリンピックの試合を生で見られるなんて人生で一度きりかもしれず、とても落胆した」と肩を落とす。それでも「日本が戦いの舞台になっているのはすごいこと。数々の試合が繰り広げられるのは楽しみでしかない」と自宅観戦に臨む。
汐見町の主婦、橋本由衣さん(35)は「コロナ前は、札幌ドームのサッカーのチケットの購入申し込みをするくらい開幕を楽しみにしていたけど、今は複雑な気持ち」と話す。「致し方ないと思う半面、こんな状況で無理して開催することへの不安もある。何とも言えない気持ち」と胸のもやもやを語った。
高校3年の時、1964年の東京五輪をワクワクしながら見たという元町のアマチュア写真家、佐々木修三さん(75)は「五輪は今年だけだがコロナは一生の問題。心ならずも感染症で亡くなった人のことを思えば、もろ手を挙げて喜べない」と複雑な心境を明かす。「気持ちが盛り上がらない。今からでもコロナ対策に専念すべきでは」と開催に否定的だ。
活躍は喜びたいが感染拡大が心配
川沿町の無職、林明夫さん(74)は「無観客で地域のつながりも薄く、東北の復興五輪という感じもしない。五輪の価値はない」とばっさり。「コロナ対策と五輪開催の二兎(にと)を追ったのが失敗。五輪が市民のものになっていない」と厳しく批判し、「選手の活躍は喜びたいが、感染拡大が心配だ」と話した。
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一方で、市ゆかりの選手の活躍や開催に期待する声もある。
もえぎ町の北洋大学野球部主務、大嶋日茉梨さん(21)は「生きているうちに自国開催の五輪を見られるのは楽しみ。(日本ハムファイターズで活躍中のOBの)伊藤大海選手が日本代表に招集されるとは思ってもみなかったのでうれしい。野球部全員でテレビで応援する」と意気込んだ。
川沿町の苫小牧高専1年生、岡嶋美結さん(16)は「もともとスポーツはあまり見ないが、日本開催は珍しいので時間が合えばサッカーを見たい」と話した。有珠の沢町のアルバイト、山本隆生さん(20)は外国選手団の陽性者の増加を懸念しつつも、「五輪開催でコロナ禍による停滞ムードを断ち切ってほしい」と期待を込めた。
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コロナ禍で打撃を受け続る飲食店は、五輪が開幕しても来店客の増加にはつながらないとみる。
飲食店への影響期待できない
錦町の「北海道しゃぶしゃぶ 鷹」を運営する「Smile up」の桑田徹取締役常務(37)は「五輪開催で良い影響が出るかは疑問。期待はできない」といい、「祭典の盛り上がりとともに飲食店も元気になることを願いたいが、テレビ観戦だと店に足を運ぶ人が少なくなるのでは」と不安を口にした。
錦町のフードバーSECRETGARDEN(シークレットガーデン)の丹羽圭司代表(45)は「五輪が始まったという盛り上がりは感じない」と街の様子を語るが、「五輪開催が繁華街に人が戻るきっかけになれば」とささやかな期待を寄せた。
















