とまこまい広域農業協同組合(JAとまこまい広域=本所厚真町)は、むかわ町穂別で営業する「Aコープ穂別店」を来年1月限りで閉店する方向で検討している。従前から赤字が続いているほか、過疎化による人口減少や胆振東部地震による被災を受け、低迷している売り上げや厳しい運営収支に改善のめどが立たなかったのが要因。12月に正式決定する見通しだ。
同店は1960年ごろに旧穂別町の大型スーパーとして開業し、地域住民の生活インフラの重要拠点として営業を続けていた。しかし、2006年に旧鵡川町と合併してむかわ町になって以降、人口減少が加速した。さらに18年9月の胆振東部地震で旧事務所と店舗が大規模損壊。その後は、売り場面積が従来より小さい仮店舗での営業を余儀なくされていた。
閉鎖の協議は、今年に入ってから本格化。同農協によると、存続を望む意見も、先行きを不安視する声も寄せられた中、客足が減少する現状や今後の人口動態による環境の変化から、やむなく閉鎖を受け入れることになったという。今月19日の理事会で協議事項とし、翌20日に来年1月中旬で閉店する方向で検討していることを穂別支所の組合員に文書で周知した。
穂別地区には、Aコープ穂別店のほかに生鮮食品を扱う個人商店が3店舗あり、地域特産品の米やメロン、アスパラ、長芋の扱いはAコープ厚真店や地元商店に依頼する予定。移動購買車については利用希望者が多いため、8月以降、厚真店から運行する形で継続する。穂別店で働く従業員の就労は、本人の意向を確認する話し合いの場を設ける。
同農協は「新店舗での事業展開も模索してきたが、現状を取り巻く商業環境下で建てられる状態ではない」と説明。今後のサービスついて「メロンなど地元特産品の売り場がなくならないように各方面と調整していきたい。組合員の要望を聞きながら、検討していく」としている。

















