苫小牧市は2020年度の各会計決算概要をまとめた。一般会計の歳入から歳出を差し引き、21年度への繰り越し財源も除いた実質収支額は11億6500万円の黒字となり、8年連続で10億円超を維持した。市は「新型コロナウイルス禍の影響はまだ限定的」と分析し、今後の経済情勢を注視している。
決算概要は21日の記者会見で公表した。実質収支が19年度比で24・7%減少したものの10億円超をキープし、岩倉博文市長は「安心とは言えないが、もっと厳しくなると覚悟していた」と胸をなで下ろした。
歳入の柱の市税収入は279億8400万円に上り、想定より1億2300万円上回った。個人市民税は83億400万円で、共働きの増加などで予算より2億4300万円上振れ。法人市民税や固定資産税は予算を下回ったが、4%未満の減少にとどまった。
コロナ禍が本格化した20年度の業績が企業決算に反映されるのは21年度以降のため、市の財政にはまだ影響していないと考えられる。市によると、コロナに伴う市税の徴収猶予額は約1億6000万円に上るといい、岩倉市長は「最低でも2、3年のスパンで見る必要がある」と慎重な姿勢を示した。
一般会計の歳入総額は19年度決算比25・9%増の1032億8300万円、歳出総額はコロナ対応に伴い同27%増の1018億6100万円となった。特別会計(全3会計)はいずれも実質収支額が黒字で19年度決算比を上回り、総額5億9000万円となった。
企業会計(全4会計)の単年度資金収支は、公設地方卸売市場事業を除く3会計で黒字。市立病院事業会計の同収支のプラスは13年度以来7年ぶり。コロナ対策に伴う補助金などを受けたことが大きく、同院は「地域の医療機関のサポートや市医師会のPCR検査センター開設などもあり、感染症病床の増床に踏み切れた」と感謝する。赤字だった公設地方卸売市場は、19年10月から使用料金を減額改定した影響が出た。
20年度決算の財政指標(速報値)は、財政の弾力性を示す経常収支比率が89・2%、資金繰りの危険度を表す実質公債費比率が6・5%、将来負担比率が65・3%で、市は「健全性が確保できる結果」としている。
















