引退馬の余生は… 22日に映画上映会 「今日もどこかで馬は生まれる」 牧場勤務の西本晴美さん  安平

「馬について知ってもらうきっかけになれば」と上映会を企画する西本さん=本人提供

 安平町内の牧場に勤務する西本晴美さん(40)は、競走馬などの引退後について考えてもらう活動に取り組んでいく考えだ。第1弾として、引退馬をテーマにした映画上映会を8月22日、追分地区のコミュニティースペース「ENTRANCE(エントランス)」で企画しており、「いろんな人に見てもらいたい」とアピールしている。

 札幌市出身。もともと競馬が好きで、2004年に牧場に就職したことを機に当時の早来町(現安平町)へ移住した。出産、子育でいったん仕事を離れたが、6年ほど前に復帰し、現在は親離れした1歳馬が競走馬になるまでの世話を担当している。

 仕事を通じ「自分が関わってきた馬は引退した後、どうなっているのか」と考えるようになり、その一部が食肉として加工されている現実を知った。14年に母親としての役割を終えた馬を自ら引き取り、「長生きしてもらいたい」と日高町の牧場で育てていることも、引退馬について考えるきっかけになったという。

 「馬はもともと人とつながりのある動物。もちろん食肉になることも悪いことではないが、引退後も乗馬やホースセラピーなど才能や縁を生かして、仕事を持って生きていけたら」と西本さん。

 馬について知ってもらう方法を模索していた中、引退馬について紹介した映画「今日(きょう)もどこかで馬は生まれる」を知り、製作者側から上映許可を得て町内での上映を企画した。今月3日に追分地区で開催されたイベントで支援を呼び掛け、会場費用をおおむね確保。協力者から「手伝うよ」「応援するよ」と励ましも受けた。

 上映会は22日、JR追分駅前のエントランスで昼の部(午後2~4時)、夜の部(同6~8時)の2回開催。定員は各回30人程度で、鑑賞は無料だが、500円以上の寄付を呼び掛けている。善意は認定NPO法人引退馬協会に全額寄付する。西本さんは「偏りがなく、どの視点から見ても良い作品」とPRし、「見に来てくれる方が、自分に何ができるかを考えるきっかけにしてもらえたら。寄付もそうだし、馬に乗ってみようという気持ちになるなど、何らかの行動が生まれたらうれしいですね」と話している。

 問い合わせは西本さん 携帯電話090(3773)8981。

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