厚真中学校3年の中島愛梨さん(14)と厚南中学校3年の川村羽海さん(14)が、7月27、28日に帯広市で開かれた北海道中学校陸上競技大会の女子砲丸投げでそれぞれ優勝、2位のワンツーフィニッシュを飾った。全国大会の標準記録(12・5メートル)には届かず、全国大会への切符獲得には至らなかったが、大舞台で厚真の中学生が大活躍した。
同種目には24人が出場し、初日の予選で中島さんは5位、川村さんは3位で通過。翌日の決勝では6回の投てきの最高記録を競い、中島さんが11・68メートルを記録し優勝した。関係者によると、厚真町内の中学生が中体連で全道優勝するのは23年ぶり、女子では初めての快挙だ。また、川村さんも中島さんに次ぐ11・44メートルをマークした。ただ、2人とも「自己ベストではないし、全国の標準記録に届いていないので悔しい」のが本音だ。
2人の専門は、今回出場した砲丸投げと、中体連の種目にはない円盤投げ。町内の少年団「厚真スローイングチーム」のコーチで、砲丸投げの道記録を持つなど現役時代、国内の最前線で活躍した大垣崇さん(37)の指導の下、国内トップクラスの選手が行う体を回転させながら投げる「回転投法」を駆使する。
素顔はあどけない中学生だが、実力は道内のジュニア世代の中でも上位。7月中旬に旭川市で行われた国体の道予選で、中島さんは円盤投げで高校生を負かして優勝、川村さんも3位に食い込んだ。同学年で普段は仲良しだが、競技になれば良きライバルとして切磋琢磨(せっさたくま)し、互いに記録を伸ばし合ってきた。大垣コーチは「今はまだパワーではなく、技で投げている状態だが、技術なら日本でもトップクラスです」と2人を評価。「一緒にいることでここまで成長したのは間違いない」と目を細める。
今後は今月下旬に予定している国体の選考を兼ねた道選手権、9月の道ジュニア選手権の円盤投げに照準を合わせる。川村さんが「今のベストが道中学記録の36・22メートルまであと1メートル。大会で記録を更新し、自己ベストで優勝したい。愛梨にも勝ちたいし、国体の本戦にも行きたい」と言えば、中島さんも「今年中に40メートルを投げたいと思っているので、道記録は超えなければいけない。頑張りたい」と意欲と笑顔を見せた。

















