鉄道模型コンテスト念願の1位、1975年の街の特徴を丁寧に再現―苫小牧出身日大教授・青木敬士さん

「鉄道模型趣味」8月号を手にする青木さんと、コンテストで1位になった「苫小牧1975」

 苫小牧市出身で、日本大学芸術学部文芸学科教授の青木敬士(けいし)さん(50)=東京都在住=が制作した1975年ごろの苫小牧市の街並みの縮小版立体模型が、機芸出版社発行の雑誌「鉄道模型趣味(TMS)」主催の鉄道模型コンテストで1位(入選)に輝いた。作品を象徴する風景となる部分は、同誌8月号の表紙に取り上げられた。16年かけて作品を仕上げ、中学生の頃からの夢をかなえた青木さんは「自分で納得して出品した作品で、1位を取ることができた」と喜びを語っている。

 コンテストは、鉄道模型愛好家たちが年1回、自作の出来映えを競う「TMSレイアウト・コンペ2021(第44回)」。作品は、鉄道模型とさまざまな風景を組み合わせて構成する。応募総数は非公表だが、入賞作品数を踏まえると、今回は45作品以上が出品された。

 青木さんは、苫小牧糸井小、同光洋中、同東高校卒。日大芸術学部文芸学科に進学し、母校の教壇に立つ。鉄道模型は小学時代から手掛け、同コンテストには、05年に作り始めて今年5月に完成させた「苫小牧1975」(128センチ×70センチ)を出品した。長方形の板材の上に鉄道模型で「Nゲージ」と呼ばれる9ミリ幅のレールを敷き、周りに75年当時の苫小牧市の特徴的な建物の模型を箱庭的に配置した作品だ。

 一方の端に山、もう一方の端に王子製紙苫小牧工場の数々の建物を配した。中央に旧ホテルイーストジャパンを据え、そばに貨物船が係留され赤色の灯台のある港を配置した。線路は山の中のトンネルも含め、ぐるりと楕円(だえん)に敷き、レールと交差するように車道を駅前から伸ばした。道路沿いに2階建ての三星、第一洋食店、鶴丸百貨店など、当時の苫小牧の特徴的な建物を並べている。列車は線路上を走り、LED(発光ダイオード)ライトを付けているので暗い場所で照らすと街の夜景も楽しめる。

 審査の結果、「随所に史実を理解した上での”詐術”も施されており、奥深さと完成度の高さが群を抜いている。入選作品の筆頭」と評価され、最高位の作品に選ばれた。

 青木さんは、今回の作品の制作に当たり、建物の形や構造については郷土資料や市内の基幹企業の社史で調べた。材料には厚紙を中心にプラスチックの板や棒を使用。着色には模型用の塗料ではなく、絵画用の水性アクリル絵の具などを使い、風雨による色あせや汚れた部分の質感などを演出してリアルに仕上げた。

 中学時代から同誌で見る作品に心を踊らせ、「いつか自分もこのレベルに到達したい」と夢見ていた青木さん。35年を経て、大きな成果を出し「東京で開催される国際鉄道模型コンベンション(JAM)での展示や故郷、苫小牧市でお披露目できれば」と話している。

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