歴史や文化 正しく 指導方法アドバイス アイヌ民族博物館が教員向け研修会 白老

歴史や文化 正しく 指導方法アドバイス アイヌ民族博物館が教員向け研修会 白老
国立アイヌ民族博物館が初めて開いた教員向け研修会

 白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)中核施設・国立アイヌ民族博物館は2日、小中学校に勤務する教員向けの研修会を初めて開いた。新学習指導要領に基づき、授業でアイヌ民族を取り上げることになった教育現場の動きを踏まえて企画した。アイヌ民族への理解促進や差別の解消に向けて、博物館職員らが正しい歴史や文化の教え方について助言した。

 研修会には、博物館を会場に胆振管内の各地から集まった43人、全道対象のオンラインに33人が参加した。佐々木史郎館長と文化庁アイヌ文化振興調査官の内田祐一氏、博物館の教育普及室職員が講師となり、授業でアイヌ民族の歴史や文化、差別問題を取り上げる際の留意点などを説明。教育活動を深めるために博物館の活用方法も伝えた。

 文部科学省は2017年3月告示の新学習指導要領で先住民族アイヌに関する教育の充実を示し、20年度から小学校、今年度から中学校で本格的に進めることにした。これに伴い、アイヌ民族をテーマにした同博物館が教員の学習指導を支援することになり、今回の研修事業を企画した。

 教育現場では、社会に根強く残るアイヌ民族への差別や偏見についてどう扱うか、難しい問題に直面している。佐々木館長は「アイヌ民族について正しい理解を促し、差別の解消につなげる教育活動は重要だ。研修会を今後も続け、教員をサポートしていきたい」と話した。

 一方、白老町は2、3両日、町内の小中学校教員48人を対象に、アイヌ文化教育の研修会を町コミュニティーセンターで開催。イオル事務所チキサニの森洋輔学芸員らが講師となり、白老アイヌの歴史や文化などについて伝え、児童生徒への学習指導の方法についてアドバイスした。

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