白老町の新型コロナウイルスワクチン接種で、対象者の約半数が2回目の接種を終えたことが、町の集計で分かった。65歳以上の高齢者は約8割に上る。しかし、ワクチンの供給不足が続く中、若い世代の接種は進んでいない。
■高齢者の約8割が接種完了
町内の接種対象者(12歳以上)は1万5435人。4月から医療従事者を皮切りにワクチン接種を開始し、年齢区分ごとに接種券の発送と、集団・個別会場での実施を続けている。
5日現在の町の集計によると、先行接種の医療従事者や高齢者施設入所者なども含めた対象者全体の接種率は、1回目63・5%(9795人)、2回目49・3%(7607人)。2回の接種を完了した人は全体の半数に上った。このうち、65歳以上の高齢者で2回目を終えた人は77・4%となった。町の当初予測65%を上回り、「感染拡大の情勢がワクチンのニーズを高めたのだろう」と担当者は推測する。
高齢者以外の各年齢区分の2回目接種率は、60~64歳54・0%、55~59歳22・3%、50~54歳20・0%、40~49歳18・6%、25~39歳17・5%、12~24歳5・4%。年齢区分ごとに接種券の発送時期が異なり、まだ送っていない年齢区分もあるため、結果的に接種率に違いが生じている。
■希望通りにワクチン入手できず
高齢者の接種率は高いものの、ワクチン接種は順調に進んでいるとは言えない状況にある。町の担当者は「全国各地で職域接種が始まった頃から、ワクチンを希望通り入手できなくなった」と言う。
町は、集団接種の受け入れ人数枠を制限するなどして、ワクチンの在庫を切らさないよう調整を図っており、「綱渡りの状況が続いている」と担当者は明かす。ワクチンの供給不足は、若い世代の接種が進まない要因の一つになっている。
町は7月29日に12~24歳(1304人)、今月5日に40~49歳(1706人)にそれぞれ接種券を発送。今月から来月にかけて接種を始める。しかし、25~39歳(1094人)については、ワクチンの供給不足もあってまだ発送できずにいる。担当者は「ワクチンを今後どれだけ確保できるか見通しが立っておらず、8月中に接種券を発送できない可能性がある」と話す。
若い世代を中心に全国的に感染者が激増している中、20代後半の町民は「早くワクチンを打ちたいのに、いつ自分に順番が回ってくるのだろう」と困惑する。
■余剰ワクチンを有効活用
町は、接種を促進するため「新型コロナワクチンもったいないバンク」と名付けた対策を7月から始めた。予約のキャンセルなどにより接種会場で余剰ワクチンが発生した際、バンク事前登録者へ連絡し打ってもらう取り組みだ。
対象は未接種者や、予約ができていない町民。7月15日に受け付けを開始し、これまでに362人が登録した。このうち148人が接種できたという。
登録希望者は町役場や出張所、いきいき4・6にある用紙に必要事項を記入し、町新型コロナウイルスワクチン接種対策室に申請する。担当者は「余剰ワクチンを有効活用し、接種を進めたい」としている。
申請用紙は町ホームページからも入手できる。問い合わせは対策室 電話0144(84)7680。

















