沼ノ端拓勇樹林の在り方考える市民アンケート、市は結果参考に議論へ

沼ノ端拓勇樹林の在り方考える市民アンケート、市は結果参考に議論へ
保全や利活用についての議論が進められている苫小牧市内の沼ノ端拓勇樹林地区

 苫小牧市は、自然環境保全地区の沼ノ端拓勇樹林(約3・2ヘクタール)に関する市民アンケートの結果をまとめた。地元住民の過半数がそのまま手を加えないことを望んだ一方、他地域の市民については「ある程度人も利用できるようにした方が良い」との回答が約5割を占めた。市は今回の結果を参考に、今秋にも開催する自然環境保全審議会の会合で同樹林の在り方についての議論を加速させたい考えだ。

 アンケートは選択式で、昨年12月から今年1月まで、沼ノ端拓勇樹林がある拓勇西町の住民900人と、他地域の1100人の計2000人を対象に実施。地元119人、他地域287人の計406人から回答を得た。

 (1)拓勇樹林が自然環境保全地区であることを知っているか(2)拓勇樹林の今後についての考え方(3)拓勇樹林に外周柵、小看板、遊歩道、観察場を兼ねた資料館を整備すべきか(4)保全の利活用などについて聞いた。

 (1)は住民の42・8%が知っているとしたが他地域については8・3%で、全市的な認知度は18・5%にとどまった。

 (2)では拓勇西町住民の50・4%が「自然に手を加えず、なるべくそのままにするほうが良い」を選択。他地域は「自然を残すことを優先しつつ、ある程度人も利用できるようにした方が良い」が49・5%、「なるべくそのまま」が41・5%と拮抗(きっこう)した。

 (3)については、外周柵や小看板の設置を地元も他地域も7割弱が「実施すべき」とした一方、遊歩道や観察場を兼ねた資料館の設置は「実施すべきでない」が共に3割前後を占めた。

 複数回答可の(4)は、約6割が「ごみ拾いなどの維持管理活動を実施すべき」、約5割が小中学生を対象とした自然環境学習への利活用を選んだ。

 アンケート結果を取りまとめた環境生活課の担当者は「何か手を加えるにしても、樹林の意義を伝える看板設置以上のことは求めていない人が目立つ。今後の議論や検討の参考にしたい」としている。

 拓勇樹林は1995年2月、市が自然環境保全地区に指定。四半世紀がたち、周辺は住宅街となり、不法投棄や防犯対策の懸念から対策を求める声もある。市は昨年4月から今年3月にかけて植物、鳥類、昆虫類の生息状況を調査。植物は95年調査との比較で14科107種増の67科264種を確認している。鳥類や昆虫類の生息数も過去の調査時より増えており、生物多様性が保たれた特色ある環境であることが分かっている。

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