天然色の魅力 白老から発信 藍染料の体験講座も企画

天然色の魅力 白老から発信 藍染料の体験講座も企画
愛泉園のアイ畑で型染めTシャツを手にする下川さん

 西胆振で藍染めや草木染の活動を続ける女性グループの代表が白老町に移住し、今年から同町を拠点に植物染料の魅力を発信する。勤め先の障害者施設でアイを栽培し、その生葉を染料にしたTシャツ作り体験講座も企画した。女性は「天然の色の奥深さを多くの人に知ってほしい」と張り切る。

 女性は、伊達市や室蘭市を活動拠点にしたグループ「てんまる堂」(メンバー3人)の代表を務める下川久美子さん。約20年間、植物染料に関わり、伊達市に住む仲間と2004年にグループを結成。同市で栽培しているアイで染料を作り、ストールなど藍染め作品を制作、販売している。ヨモギやドングリ、シロツメクサなど天然植物を使った草木染のアクセサリーも作り、体験のワークショップを各地で開いている。

 下川さんは、縁のあった白老町竹浦の障害者生活介護施設・愛泉園に昨年10月から勤務。同年12月に登別市から白老町へ移り住み、施設での仕事と染め物の活動を続けている。こうした中で「白老で藍染めの魅力を伝えたい」と思い立ち、施設の敷地内でアイを栽培。摘み取ったアイの葉を染料にしたオリジナルデザインのTシャツ作り体験講座を8月と9月、施設のログハウス(竹浦344)で開くことにした。

 講座では、北海道の野生動物や植物をデザインした型紙とアイの生葉を使い、オーガニック(有機栽培)コットンのTシャツに絵柄を染色する「型染め」を体験してもらう内容。今月は15日と22日、9月は5日と19日に開き、いずれも午前10時~正午と午後1時~3時の2回行う。各回とも定員4人程度で、料金は大人6000円、小学生4500円(Tシャツや材料、おやつ代などを含む)。Tシャツは、途上国の品を適正価格で取引し、生産者や労働者の生活を守るフェアトレード方式で輸入した商品を使用するという。

 札幌市出身の下川さんは、幼い頃から北海道の自然環境に興味を抱き、大学で環境分野を研究。オホーツク管内斜里町の知床自然センターでの勤務経験もある。そうした自然への思いが自然由来の染め物への関心につながり、環境と人に優しい藍染めや草木染の活動にのめり込むようになったという。

 染め物のほか、北海道の自然をモチーフに土や植物など天然素材の顔料で絵を描く活動も行っており、作品は絵本になったり、金融機関の貯金通帳の表紙に採用されたりしている。下川さんは体験講座を皮切りに白老町で活動の幅を広げ、「植物染料の素晴らしさや、自然との共生をアピールしていきたい」と意気込む。

 体験講座の参加申し込みは下川さん 携帯電話080(1301)7291か、電子メールtenmaruku@gmail.com

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