アイヌ民族伝統の舟おろしの儀式「第52回チプサンケ」が22日、平取町の二風谷ダム近くの沙流川左岸に設けた舟おろし場で行われた。文化伝承を目的に平取アイヌ協会などでつくる実行委員会の主催。
例年だと、町民と札幌、苫小牧、白老、北広島、恵庭など道内のほか、東京、神奈川、千葉、静岡、神戸など全国各地から200人を超える観光客らが参加するが、今年は新型コロナの感染が拡大していることから町民限定で規模を縮小した。実行委員や関係者など40人、マスコミ関係20人、その他20人が参加。大きめの舟1隻、丸木舟2隻に実行委員が3人程度ずつ乗り込んだ。
チプサンケは昭和40(1965)年代から継続的に二風谷で行われている。舟に新たな命を与える入魂の儀式。舟材を授けてくれた山の神へ感謝の気持ちを伝え、新たな舟ができたことを川の神へ報告する。この日も船頭たちが、ワッカウシカムイ(水の神)へ祈りをささげた後、乗船した。

















