夏休みが終わる8月から9月にかけ、全国で小中学生や高校生の自殺が増えることが社会問題化している。苫小牧市内でも学校や家庭内で悩みを抱える児童、生徒は少なくなく不登校の子どもや保護者を支援する苫小牧のグループ「SAB不登校苫小牧」の代表を務める越智沙織さん(40)は、「いつどこで悲劇が起きるか分からない。命を守るには、周りの大人が子どものSOSに敏感になることが重要」と訴える。
厚生労働省などの統計によると、小中学生や高校生の自殺者数は近年、増加傾向にあり2016年に289人だったのが17年315人、18年369人、19年399人と推移。新型コロナウイルス禍で生活環境がこれまでと大きく変わった20年は499人と、過去最多を更新した。
特に夏休みが終わる8月中旬から9月上旬に増える傾向にあり、20年は8、9月の2カ月間で計120人の児童生徒が自ら命を絶った。越智さんは「不登校の子どもや、学校に行きづらさを感じている子どもは、みんなと同じように振る舞えないことにずっと苦しんでいる」と指摘。「中には学校が再開することで『あの苦しみがまた始まるんだ』と逃げ場のない感情に襲われ、最悪の選択をしてしまう子どももいる」とみている。
例年この時期になると、子どもの自殺予防へ、全国的なキャンペーンが繰り広げられる。今年も著名人らが自身の不登校やいじめ被害、死を選びそうになった経験談などを告白しながら子どもたちに向けて「命を大切にして」というメッセージをインターネットなどで発信している。
NHKは、子どもたちが不安や悩みを匿名で書き込めるインターネットサイトを運営。全国的に多くの地域で夏休み最後の日となる8月31日は、サイトに書き込まれた声を取り上げながら、子どもたちの悩みに寄り添う番組を毎年放送している。
苫小牧市内でも不登校児童、生徒や友人トラブルやいじめ、進路の不安、家庭内の悩み事などを抱える子どもは多く、越智さんは「自死を選んでしまう子どもが出てもおかしくない」と危機感を持っている。SAB不登校苫小牧が運営するツイッターやインスタグラム、ブログといった投稿サイトで自殺防止につながる情報を積極的に発信。毎月2回、市内で開いている不登校の子どもや保護者を集めた交流の場でも話題に取り上げてきた。
越智さんは悩みを抱えている子どもに、「1人で抱え込まないで相談してほしい」とアピール。大人に対しては「周りの子どもの様子に気を配り、気持ちに寄り添ってあげてほしい」と呼び掛ける。
SAB不登校苫小牧は、悩みを抱える子どもの相談に応じ、それぞれに必要な情報の提供に取り組んでいる。
問い合わせは越智さん 携帯電話090(4504)4112。
















