静内、2年ぶり全道へ―”雑草魂”で奮闘〔高校サッカー〕

PK戦を制し歓喜の輪をつくる静内イレブン

 第100回全国高校サッカー選手権大会苫小牧地区予選大会(8月、苫小牧市緑ケ丘公園サッカー場)は、静内が2年ぶりの優勝を果たし、北海道予選(10月、帯広市など)に出場する。今年度の全国高校総体室蘭支部予選で学校事情により出場辞退した悔しさをぶつけ、見事全道切符を手にした。

 苫小牧地区予選は東胆振の10チームが出場し、トーナメント戦を繰り広げた。静内は2回戦で苫小牧高専を6―1、準決勝で浦河を5―1でかわし決勝に進出した。

 苫小牧工業との決勝は堅守がぶつかり合うスコアレスの展開になり、前後半で両チーム無得点。延長後半、FW齊藤颯人(3年)が鮮やかなシュートでやっと苫工ゴールをこじ開けた。「ずっとバックが頑張ってくれていたので何としてでも決めたかった」

 しかし得点直後のプレーで追い付かれ、試合はPK戦に突入。ここでDF渡部健太(3年)がGKとして魅せた。PK戦でのGK起用を念頭に練習を積んでいた成果を披露。2本目を華麗にセービングしてチームに勢いをもたらした。

 静内高教諭の木原弘紀監督は「身体能力が高く体のばねがあってGKとしても素質がある」と話す。

 PKの結果は3―1。勝負を決する3本目を蹴ったのも渡部だった。渡部は「決めても頭は真っ白。チームメートが駆け寄ってきて勝利を実感した」と振り返った。

 ファーストボールでの競り合いが強かった静内。練習前のアップで行っていたヘディング練習が空中戦の強さに表れた。DF佐々木圭汰主将(3年)は「ファーストで勝てたことが攻撃や守りにつながった」と話す。

 木原監督は就任10年目。今年のチームを「最弱チーム」と手厳しい評価をしていたが、今年に入ってからのメンバーの成長は著しかったという。「生徒同士で話し合う機会が増えて、サッカー理解が深まったことでチームが強くなった」と話す。「雑草魂でここまで成長してくれた」とメンバーの奮闘をたたえた。

 チーム力が高まっていただけに高校総体の出場辞退の悔しさは大きかった。3年生15人中、10人が部に残り練習を続けてきた。高校総体の分も道予選に全力をぶつける構えだ。佐々木主将は「大会までの期間でチャンスでの決定力を高めて1勝できるようにベストを尽くしたい」と抱負を語った。

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