海辺によく出向く。海岸や港で焼き肉やキャンプを楽しむ人が増えたようだ。感染リスクを回避できるレジャーとしてアウトドアの人気は高く、家族や仲間でこんろを囲む様子は実に楽しげ。もっとも屋外だからリスクはないとはならない。注意は必要だ。
海岸線が観光資源の神奈川県内でバーベキューごみの増加が問題になっているという。コラム子が出向く苫小牧の海岸でもごみが目に付くようになった感がある。ご丁寧にレジ袋にまとめながら放置したものも。これを海鳥やキツネが散らかし、一部は漂着ごみになる。苫小牧港・東港の一本防波堤周辺に至っては、釣り人が捨てたものやバーベキューごみ、家電や生活用品、家具の不法投棄も絶えない。環境に大きな負荷となる。
海岸美化専門の団体が神奈川にある。県と相模湾の自治体が出資して財団を設立した。国内では極めて珍しい。財団は海岸清掃を事業化し、県民参加の催事を企画してボランティアの育成、啓発、パトロールや研究活動などを展開している。風光明媚(めいび)な相模湾が地域の人々の誇りであり、経済、防災の点からも地域にとって重要な資源であることが分かる。
モラルの向上は難問だ。苫小牧では関係機関と業界団体、市民団体や釣り愛好者グループが海岸清掃に尽力している。広がりをつくるための美化事業やボランティアの育成を行政と市民が協働する独自の取り組みはどうしたら可能だろうか。(司)









