苫小牧市弁天の海岸で1~2月に見つかったアイヌの丸木舟「イタオマチプ」(板つづり舟)とみられる2隻の調査に関連し、市美術博物館を管轄する市教育委員会と白老町の国立アイヌ民族博物館は、アイヌ資料の共同研究に関する覚書を締結した。両館は舟のより細かな計測や保存処理など、必要な作業を協力して進めていく方針。
8日の市議会文教経済委員会で市教委が明らかにした。覚書は2025年3月末を期限とし、8月27日に締結された。対象とするアイヌ資料は、発見された2隻の丸木舟のほか、両館が所蔵する舟とそれに付随する資料。
研究項目は大きく分けて▽2隻の舟の詳細な撮影▽デジタル機器などを用いた計測▽脱塩、保存処理▽年代測定と使用されている樹種の同定―の四つ。必要に応じて関連する調査、作業を共同で行っていく。随時、苫小牧アイヌ協会などの団体へも情報を提供しながら、結果の公表を目指す。
今後は勇武津資料館に保管されている2隻を国立アイヌ民族博物館へ移送し、長期間の脱塩処理と薬品を用いた保存処理などを施す予定。市美術博物館の武田正哉館長は「発見から一般公開までは長い時間がかかる。後世に残すべく両館が協力し合って、より科学的な手法でアイヌ文化を明らかにできれば」と話す。
舟は1~2月、住民が海岸に流れ着いているのを発見。市教委へ権利が移譲され、4月に北海道教育庁生涯学習推進局文化財・博物館課が鑑定し、埋蔵物として文化財認定の通知を受けた。
















