微生物の世界的分布調査 北大研究林の植竹准教授ら苫小牧駅でサンプリング

微生物の世界的分布調査 北大研究林の植竹准教授ら苫小牧駅でサンプリング
券売機のタッチパネルを綿棒でこすり、微生物を採取する植竹北大准教授

 微生物の世界的な分布を調べる研究の一環で、北海道大学苫小牧研究林の植竹淳准教授(43)が10日、JR苫小牧駅構内でサンプリング(試料採取)を行った。機械で空気中の微生物を採取後、同研究林の職員や学生と4人で駅構内の券売機やベンチ、床、手すりなど7カ所の表面を15センチの綿棒を使ってこすり、付着した試料をサンプル管に収めた。

 研究は、国際的な都市微生物研究活動の一環で、微生物は細菌やカビのほかウイルスも含む。試料は13日にも、植竹淳准教授の共同研究者で、研究の国内代表者である慶応義塾大学環境情報学部(神奈川県藤沢市)の鈴木治夫准教授の研究室に送られる。

 その後、全体の研究代表者である米ニューヨーク州コーネル大学、クリストファー・メイソン博士の実験室にも送付。遺伝子解析を通して、どのような微生物が環境中に存在していたかを明らかにする。

 研究活動は2015年、世界各地の駅などで人工環境に存在する微生物や薬剤に耐性のある遺伝子を調査したのが始まり。17年までに仙台、東京、山口、福岡を含む世界32カ国60都市で4728のサンプルを収集し、遺伝子解析を経て、約8兆の遺伝子から全都市に共通する31種類の微生物の存在が明らかになったという。この時の研究では、国内で確認されたウイルスが欧米と傾向を同じくしていることも分かった。

 その後、新型コロナウイルスが各国で流行しているが微生物の世界的な分布を調べる研究は続けられている。

 植竹准教授は「将来的には都市部や森林部などの微生物生態系の変動を明らかにしたい。微生物の動きがより視覚化されれば、健康との関連性を調べることなども可能になるかもしれない」と期待を寄せる。

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