苫小牧市で二酸化炭素(CO2)を有効利用するカーボンリサイクルを事業化しようと、官民で議論する「苫小牧産業間連携検討会議」が設置された。15日に市役所で初会合を開き、オンラインを含めて30事業所・団体105人が参加。CO2を輸送するパイプラインなどインフラ整備、導入を促すインセンティブ付与などで意見を交換した。年内をめどに実現へのシナリオを取りまとめる。
デロイトトーマツコンサルティング合同会社(東京)と石油資源開発(同)の事業。今年3月に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「カーボンリサイクル拠点実現可能性調査」を受託。地元企業のエネルギーバランス、CO2排出量や削減の取り組みなど現状を調べた上、産業間連携の機運を醸成しながら、カーボンリサイクル拠点化を目指す内容だ。
初会合に参加したのは道や市、北電、出光興産、トヨタ自動車北海道、王子ホールディングス、日本製紙、苫東、苫小牧港管理組合、日本CCS調査―など。新型コロナウイルスの緊急事態宣言発令を踏まえ、市役所での参加は主催2社と市の関係者ら10人程度にとどめ、残りはオンラインで結び意見を交わした。
主催者あいさつで石油資源の天野正徳常務執行役員は「エリア全域で脱炭素を目指すため、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出ゼロ)ネットワークを社会実装する条件を明確にしたい」と意欲を示し、デロイトの渡辺博人エネルギーユニットリーダー執行役員も「持続的な社会をつくる壮大なプロジェクト。活発な意見交換を」と呼び掛けた。岩倉博文市長は「環境と経済の好循環実現に向けて実りあるものに」と期待を寄せた。
会議では▽CO2のパイプライン輸送▽燃料や化成品、コンクリートなどへの再利用▽企業が積極的に参画するためのインセンティブ―などについて意見を交わした。両社はCO2の市内排出量を年間500万トン規模と推定し、企業間の連携やCO2削減量、経済性など、実現に向けた課題も挙げた。
会議は計5回を予定。年内をめどにCO2の輸送や再利用を中心に「カーボンリサイクルシナリオ」の方向性をまとめ、2022年度にも実証試験に向けた調査検討に入る。
















