ロシアが史上初めて、国際宇宙ステーション(ISS)での長期の映画撮影に臨んでいる。女性医師が意識を失った宇宙飛行士の救出に向かうストーリーで、題名は「挑戦」。30代の女優と監督を乗せた宇宙船が5日、カザフスタンの基地から現地に到着した。ISSでの映画撮影は米国のベテラン俳優トム・クルーズさんも計画していたがロシアが先駆ける格好となり、宇宙大国同士の強い対抗意識が見え隠れする。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は1日以降、小型ロケットイプシロン5号機の発射を準備する。苫小牧高専を含む国内10高専の学生が中心となり2年半かけ、共同開発した小型衛星などを搭載。装置の不具合や気象条件から打ち上げ延期が続いているが、その動向から目が離せない。小山宙哉さん原作の漫画「宇宙兄弟」の中の「ベテランの存在が重要なのは当然だが大事なミッションにこそ勇気を持って期待の新人を起用すべき」というせりふを思い出す。
探査機「はやぶさ2」の挑戦も素晴らしい。昨年12月、6年ぶりに地球に戻ってきたトラブル続発の初号機の後継は、小惑星りゅうぐうの砂や小石が入ったカプセルを分離後、別の天体の探査に向かっている。目標への到着予定は2031年という。壮大な計画だ。いずれの宇宙プロジェクトもスケールが大きく、ただただ感心する。早くも再チャレンジ推進政権などとやゆされ始めた新政権の挑戦はいかに。(輝)









