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 北海道苫小牧工業高校が2023年、創立100周年を迎える。1923(大正12)年の開校。記念事業協賛会が、このほど発足した。

 苫工の木造校舎が現在の出光カルチャーパーク一帯にあったことを記憶しているのは何歳以上の人だろう。国道36号から学校へ入る付近は、現在の中央図書館駐車場への道路として残っている。入社間もなく何度か取材で訪ねたことがある。確か国道側には職員室や事務室など管理部門の入る校舎があった。

 転勤で不在の期間があり、戻った時、校舎は跡形もなくなっていた。1983年秋、高丘の現在地に新校舎が完成して移転した。移転については「汽車通生の通学が不便になる」と、市に慎重な検討を求める卒業生らの意見もあったが、結局は新しい図書館のある、緑の豊かな公園の造成が選ばれた。苫小牧には市街地中心部から消えた高校が、もう一つある。苫小牧駅に近い、現在の若草町にあった苫小牧東高校だ。こちらは74年末に現在の清水町へ移転した。

 人口の増加が続く工業都市。住宅地が拡大していく中で、高校生たちが山際に残る未利用地に押し出されたかっこうだ。

 苫小牧駅の南に残る巨大な空きビルの無惨と、一帯の閑散を嘆く声が多い。元気な高校生たちが朝夕の歩道を埋めた往時のにぎわいを思い出す。彼らの振りまいていた活気を思い出しながら、まちづくりの難しさ、政治や行政、市民の選択のありようを改めて考えてみる。(水)

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