鐘楼堂の移設完了 瑞雲寺 震災から3年 やっとここまで 安平

クレーンに吊り上げられ、秋空に浮かぶように映る=19日午前10時45分ごろ

 秋空に舞う鐘楼堂―。胆振東部地震で被災した安平町早来栄町の瑞雲寺境内にある鐘楼堂の移設作業が19日に行われた。大型クレーンでつり上げられ、秋の空に建物が浮かぶような不思議な光景が見られた。

 瑞雲寺は3年前の地震で本堂がすり鉢状に沈下するなどにより半壊。鐘楼堂は、震度6強の激しい揺れで屋根を支える4本の柱のうち3本が靴石から外れたほか、土台となる基壇が割れるなど大きな被害に遭ったが、奇跡的に倒壊を免れた。壊れた基壇を解体し、再整備するため、鐘楼堂をいったん境内の別の場所に移動していた。

 関係者や近隣住民が見守る中、鐘楼堂は「まるでみこしが宙に浮いているようだ」と目を丸くするほど高くまで上がった。樹木や本堂にぶつからないよう風で揺さぶられる鐘楼堂を作業員がロープで押さえながら、靴石に収めた。

 増坂澄俊住職(70)は「震災から3年がたって町が復興する中、一つのエポックメーキングでもある。まだすべてが復旧したわけではないが、やっとここまで元に戻ってきた」と胸をなでおろしていた。

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