批評

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 「投票をしないで後であれこれ言うのも―」。衆院選で投票をするか。街頭でテレビカメラを向けられた若い女性の返答。うなずいた。

 総務省のまとめた戦後の衆院選の投票率を、インターネットで細かな数字と折れ線グラフを見て確かめた。戦後間もない1946年の第22回は72・08%、28回には5ポイントほど上がっているものの、その後は若干の上下はあるが低下傾向が続き、前回2017年の第48回は53・68%。有権者の半分強しか投票していない。そんな中で政治家が不正を働き行政の文書隠しや改ざんが行われていたことになる。年代別投票率のグラフもある。20代はどの選挙でも最下位だ。第48回では60代以上が72・04%。20代は半分以下の33・85%だった。若年層の投票率引き上げは全国の自治体の共通課題だ。

 白状すれば、20代に何度か棄権した経験がある。棄権による意思表示などと理屈を考えていた。しかし有効票の意図も無視されることの多い政治や政治家の世界。幻想はすぐ捨てた。

 高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地選定に向けた文献調査の進む後志管内寿都町の町長選挙が繰り広げられている。「肌感覚」で町民の賛否が分かるという6期目を目指す現職と、調査受け入れに反対する前町議の、住む町の針路を定める対決に、約2400人の有権者が26日、判断を下す。批評をしている場合ではない。衆院選の投票日は31日。私たちは何を選ぶか、誰を選ぶか。(水)

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