灯油価格高騰続く 高まる原油需要背景に市内も100円台、業者も市民も悲鳴

灯油価格高騰続く 高まる原油需要背景に市内も100円台、業者も市民も悲鳴
家庭用の灯油タンクに給油する苫小牧市内の業者

 石油情報センター(東京)が27日に公表した灯油の全国平均小売価格は、1リットル当たり106・1円に達した。8週連続の値上がりで、道内平均価格は102・2円。国際的に原油需要が高まる中で市場に原油が出回らず、品薄になっているため。苫小牧市内で灯油を扱う業者や市民からも悲鳴が上がり始めた。

 同センターによると、新型コロナウイルス感染の沈静化に伴う経済回復を背景に原油需要が高まっているのに対し、産油国が大幅増産に慎重なことから需給が逼迫(ひっぱく)しているという。

 道内最大の灯油共同購入団体コープさっぽろ(生協、札幌市)は今月から冬の定期配達を開始。18日、苫小牧市内の会員向け灯油価格を1リットル当たり97円から100円に値上げしているが今後、一段と高くなる可能性がある。

 東胆振1市4町と日高町、平取町を管轄する苫小牧地方石油業協同組合(市内元中野町)の担当者は「いくらコストが掛かっても我慢して3桁には乗せないという暗黙の了解のようなものが業界にあったが、このままでは立ち行かない」と訴える。専売業者もガソリンスタンドなどの併売業者も、大きなシェアを持つ生協に準じた価格体系になるといい、100円超への価格改定は必至だ。

 市内で灯油やガスを扱う会社の40代の男性社長は「顔が見える関係を大切にしてきたおかげで、深刻な客離れは起きていない」としながらも「企業努力だけではもうどうにもならない」と強調。「実直に安定供給することが使命と信じて仕事をするだけ」と悲壮な決意を口にした。

 市民生活への打撃も深刻だ。新開町の50代女性は「灯油は冬の必需品で、急な値上がりは死活問題。どこまで苦しめばいいのか」と悲鳴を上げた。宮前町の70代男性は「年金生活者の財布の中はすでに寒い。外交で増産を働き掛け、内政で灯油減税をするなど具体的な手立てを」と政治に救済を求めた。

 同センターの担当者は「国際的な品薄は来週も変わらず、値上がりが続くだろう」との見通しを示す。一方で、11月初めには石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟産油国で構成するOPECプラスの会合が予定されており、「国際的な増産要請の高まりを受けて、減産緩和の方向性が示されれば多少状況が変わるのでは」と期待した。

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