苫小牧市が2021年度上半期(4月~9月)に対応した児童虐待の件数(速報値)は、前年度同期比40件増の134件に上った。約半数が心理的虐待で、きょうだいへの虐待行為を目撃したことで、精神面での被害を負うケースが目立ったという。市は厚生労働省が定める児童虐待防止推進月間(11月)に合わせ、11月6日、児童虐待防止シンポジウムを開催する。
21年度上半期の134件のうち、暴言や無視、言葉による脅しなど心理的虐待が53%の71件で最多。食事を与えなかったり、家に閉じ込めたりする養育怠慢・放棄(ネグレクト)は30件、殴る、蹴るなどの身体的虐待は29件とそれぞれ約2割を占めた。性的虐待も4件あった。
近年の児童虐待の対応件数を見ると、18年度131件、19年度137件、20年度94件と増減を繰り返している。21年度の134件は前年度比42・5%増で、市こども相談課は「子どもが多い家庭で虐待が起きたため虐待行為を目撃する子どもが増え、心理的虐待の件数を押し上げた」と話す。
生命に関わる虐待事案はなかったものの、「いらいらして、つい叩いたり、蹴ったりしてしまう」といった保護者のSOSにも対応したという。
「虐待が日常化する中で、暴力がエスカレートする危険性をはらんだ家庭も潜在している」と担当者。育児ストレスを軽減できるよう、子育て講座や家事・育児支援などのきめ細かな事業を展開している。
虐待のないまちづくりへ、地域ぐるみで子どもを守り育てる機運を高めようと11月6日、「子どもを虐待から守るシンポジウム」を市民会館で開く。今年1月に施行された市子どもを虐待から守る条例に基づく初の啓発事業。子どもの虹情報研修センター(神奈川)の川崎二三彦センター長による「親子を支える地域の在り方」をテーマにした講演を事前録画し、上映する。
市立病院の木原美奈子医師、市民生委員児童委員協議会の松村順子会長、室蘭児童相談所苫小牧分室の板橋潔分室長による、パネルディスカッションも予定。市内の小学生から募った児童虐待防止啓発グッズデザインの表彰式も行う。
同課は「虐待のないまちづくりには、地域全体で子育て世帯に温かいまなざしを向けることが不可欠」と強調。シンポジウムへの積極的な参加を呼び掛けている。
開催時間は午後1時半~同4時。オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を使ったオンライン参加も可能。参加はいずれも無料。
申し込み、問い合わせは同課 電話0144(32)6369。
















