越境EC

越境EC

 国内で特産品がある自治体は多い。恐らく持たない自治体の方が少ないのだろう。苫小牧ですぐに浮かぶのは「ハスカップ」。お菓子や紅茶などさまざまな商品に加工されているが、全国的な知名度はまだまだ。どの自治体もそうだと思うが、一つの特産品の知名度を全国区に押し上げるには時間と知恵が必要になる。

 中には思わぬことがその商品の価値を高めるケースもある。北海道の銘菓石屋製菓の白い恋人は、本道から本州に向かう航空機内で提供されたことがきっかけで火が付いた。今では本道を代表するお菓子で土産品だ。商品は販路が確立していれば、一定の売り上げは約束されるが、地域の特産のような商品は販路拡大が大きな悩みだ。

 その販路で注目されつつあるのが越境EC(電子商取引)だ。簡単に言えば外国向けにインターネットのサイトを作ってモノを売る。現地にサイトがあれば、そこに出店して商品を売ること。越境ECでは予想も付かないものが売れる。中国や台湾などから引き合いがすごいのが、鳥取県境港市の「きざみ昆布」。爆発的な人気だ。

 日本の昭和時代にはやったシティ・ポップスの竹内まりやや大滝詠一のアルバムも飛ぶように売れている。コロナで日本を訪問できないことへの反動という指摘もあるが、明確な理由は分からないという。EC開設には注意点も多いが、地方が発信する手段として一考の価値はありそうだ。(昭)

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