苫小牧工業高等専門学校(小林幸徳校長)など国内の10高専が共同開発した超小型人工衛星「KOSEN―1」が9日、鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた。開発に携わった苫高専の学生たちは、校内で衛星からのモールス信号受信に初挑戦。信号音が聞こえると、「すごい」などと歓声を上げていた。
「KOSEN―1」は、2018年12月にJAXA(宇宙航空研究開発機構)が公募、選定した9基の衛星の一つ。10高専が2年半かけて開発した。
木星から放射される電波の観測、精度の高い衛星の姿勢制御、電気機器を制御するマイコン(小型コンピューター)動作の実証実験などを目的とし「イプシロンロケット5号機」に搭載された。
苫高専は衛星地上局を運用する役目を担い、校舎の屋上に3メートルほどのアンテナを設置。10月中旬の取り付け角度調整などを経て今回初めて、衛星からのモールス信号受信を試みた。
無線の識別番号や「KOSEN―1」のバッテリー状態、太陽光の発電状況を伝える信号で、等間隔に発信。衛星が最接近した打ち上げから約1時間半後、5分間ほど受信した。
ヘッドホン越しに信号音が届くと、学生たちは「聞こえる!」と大興奮。専攻科1年の佐藤颯空さん(21)は「うれしい。これでデータを解析できる」と満面の笑みだった。
昼休みに校内で開かれた打ち上げの視聴会には学生4人が参加。2年生の本間恭輔さん(17)は「無事、打ち上がってうれしい。わが子を見守る気持ち」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
今後も継続的に信号を受信予定で、モールス信号のデータ解析作業も進める。
イプシロンロケット5号機による「KOSEN―1」などの衛星打ち上げは、JAXAの「革新的衛星技術実証プログラム」の一環。当初は10月1日に打ち上げ予定だったが、地上レーダー設備の不具合で中止となり、その後も天候に恵まれず3回延期されていた。



















