「生きる力」育む授業試行錯誤、来年度から学習指導要領改訂で先行導入の市内高校

グループワークの成果を発表する生徒たち=西高校

 2022年度からの新学習指導要領全面実施を前に苫小牧市内の高校は、生徒の「生きる力」を育む授業について試行錯誤している。新しい指導要領は「主体的・対話的で深い学び」がキーワードで、「総合的な学習の時間」(総合学習)は「総合的な探究の時間」(総合探究)に名称変更。自ら課題を発見、解決していく力を養う授業に位置付けており、各校は独自のカリキュラム策定を急ぐ。

 西高校(新山雄士校長)は1、2年生の総合探究のテーマとして職業観や自立心を育む「キャリア教育」を扱ってきたが探究の要素を充実させるため、地元で就職し、市内に住み続ける卒業生が多い現状も踏まえ今年度から、1年次の題材に「地域課題」を取り入れた。

 1年生は7月に市まちづくり推進課の職員を講師に迎えて開いた勉強会の後、JR苫小牧駅前の活性化をテーマに設定。9月からグループワークを重ね、人通りを増やすために「20代が過ごしやすい場所にする」「屋台(村)をまちなかに整備する」といった意見が出された。

 クラス内での学習成果中間発表に臨んだ上田飛成さん(16)は「苫小牧の良い、悪いところを考える機会になった」と語る。グループごとにより具体的な駅前の活性化案を議論しているが、担当教諭の嶋木勉さん(42)は「次の課題設定が難しい。予想以上に時間がかかる」と話す。今月25日には、クラス内で選抜されたグループが市職員の前で活性化案を披露する予定だ。

 南高校(高橋昭仁校長)は昨年度から、1年次の総合探究のテーマを「苫小牧元気プロジェクト」に設定している。まちの活性化プランを計画、調査、発表する内容で9月下旬には、市内のパン工房経営者や市観光振興課で働く卒業生ら5人を迎え、生徒3人と体育館でパネルディスカッションを展開。苫小牧の強みや弱み、活性化策を軸に意見交換した。

 1年生全員が見守る中での議論にパネリストの生徒たちは緊張気味だったが、齊藤悠斗さん(16)は「高校生とは違う視点での話を聞けた」と満足顔。その後、生徒たちはご当地クイズ作成や市内菓子メーカーのラスクのネーミングなど六つのテーマでグループワークを進めてきた。12月10日に全体発表を行う。

 両校の他学年や市内他校も総合探究で、進路研究やまちなか再生事業の提案などに取り組んでいる。

 新指導要領は18年に告示。理科や数学の知識を用いて探究する「理数探究基礎」を新設するなど、生徒が受け身にならない授業を目指す。総合学習は教科横断的な学習を重視し、総合探求に改称し、道立高校は19年度から先行的に導入している。

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