平等

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 子育て支援などの著書を多数出し、NHKEテレの番組「すくすく子育て」アドバイザーなどで活躍する大日向雅美さんの講演会がせんだって、苫小牧市で開かれた。訴えたのは地域ぐるみで子どもを見守る環境の大切さ。「母親一人に責任を負わせないで」と強調した。興味深く拝聴した。

 大日向さんいわく、子どもはそもそも「聞き分けのない存在」。母親だからと言って「毎日、笑顔で接することは無理」。そんな当然のことわりにもかかわらず、「お母さんが自分時間を持とうとすると『わがまま』と言われる」という問題点。家族だけではなく、地域で子育てを支えるよう提唱し、男性の参画を強く促した。

 東京のNPO法人の事例では、団塊世代の男性が積極的に、子育てに携わっているという。企業などを定年退職した男性にとって、社会とつながり続ける場は貴重なようだ。職場の名残が抜けずプライドの高い肩書き人間に対しても、「仕事の経験を地域の親、子どものために使って」と説くそう。地位や名誉、給与を上げるためのやりがいが、「ありがとう」と感謝されることに向く。お互いが癒やされる地域貢献だ。

 あすは苫小牧市が男女平等参画都市を宣言してから8周年の節目。講演会もその記念事業だったが、参加者のほとんどが女性で、男性は数えるほどだった。男女平等の追求は詰まるところ、地域みんなが輝くことではないか。考える日にしたい。(金)

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