苫小牧市真砂町の出光興産北海道製油所(山岸孝司所長)は、従業員が職場で自由に働く場所を決められるアクティビティー・ベースド・ワーキング(ABW)を導入した。仕事の効率化や生産性の向上につなげる狙いで、新型コロナウイルス感染対策も兼ねている。一石が二鳥にも三鳥にもなり、従業員からは「仕事に集中できる」「コミュニケーションが取りやすくなった」と好評だ。
今月から製油所事務所で取り入れた。総務課など管理部門の従業員約50人が対象で、それぞれの働き方に合わせて自由に席を変えられる。勤務スペースを約1・5倍に広げ、座席も個人作業用やチーム作業用、打ち合わせ用など、用途に応じて計約80人分用意。これまでは2階ワンフロアで部署ごとに机が並ぶ固定席だったが、ABWでは勤務場所を2階、3階で選べ、上下の垣根なく、異なる部署の従業員同士、一緒に仕事できるようになった。今後は製油所内のプロダクションセンター、保全センターでも導入予定。総事業費は約7000万円。
意識したのは職場のコミュニケーション向上。チーム作業用の机席は4人ずつの配置を基本にし、全員が「角」に座れるようにした。総務課のABW推進リーダー、山口大輔さん(43)は「3人が横並びだと、真ん中の人に声を掛けづらい。より活発にコミュニケーションを取れるようにした」と話す。個人作業用は前方や左右に仕切りがある席を用意するなど作業に没頭できる。ゆったりしたカフェのような席や、健康増進対策で立ったまま仕事ができる席もある。
コロナ対策も兼ねて、資料のデジタル化、ペーパーレス化、決裁の脱はんこ化も進めたことで、個人の資料が机に高く積まれるようなこともなくなり、清潔感ある職場環境も実現。個人が仕事で使う最低限の資料はロッカールームに入れ、席を移動する際はノートパソコンの持ち運び程度。総務課の坂入瑛子さん(38)は「職場がスッキリとした」と喜び「どこでもすぐに打ち合わせでき、仕事がしやすくなった」といきいき働く。
山岸所長が前任地の愛知製油所でABWを導入し、生産性の向上などに効果を上げたため、道製油所でも取り入れることにしたという。コロナ禍でもテレワークが難しい仕事柄、「密」を回避する狙いもあり、山岸所長は「仕事で目的に合った人とすぐにコミュニケーションを取れるようになり、コロナ対策も進めることができた。自分で仕事の環境を考え、毎日変えながら、気持ちよく働いてもらえたら」と話している。
















