苫小牧出身のプロスケーター(スケートボード)、冨川蒼太(18)が20日に米国フロリダ州タンパで行われた「タンパAMコンクリートジャム」で優勝した。5位入賞だった2019年大会以来2年ぶり3度目の出場で、東京五輪金メダリストを抑えての栄冠だ。
大会は制限時間45分の間に、ボウルと呼ばれるおわん形のセクションで、参加者が自由に滑りを披露するジャムセッション方式で行われた。冨川は板に二つ付いているトラックと呼ばれる金具をボウルの縁に滑らせるトリック(技)「バックサイドノーズグラインド」の後に、板をさらに半回転させて逆側のトラックを滑らせる「シュガーケーン」の二つのトリックを組み合わせた大技を成功させた。
2位のキーガン・パルマー(オーストラリア)は東京五輪スケートボードパーク種目の金メダリスト。強豪を抑えての初優勝に「トリックをメーク(成功)させたときは聞いたことのない歓声が上がった」と振り返った。
冨川は今年3月に苫小牧西高卒業後、4月に単身米国へ。オレゴン州ポートランドなどを拠点に自身のスケーティングを収めた映像作品「フルパート」の撮影を中心に活動している。7月にビザの関係で一度帰国、10月から再度渡米している。
米国の大手スケートボード用品ブランドのクリーチャーとのアマチュア契約を目指す冨川に今月、朗報が飛び込んだ。同社が制作したビデオに冨川の映像が採用されることが決まった。冨川が4~7月に撮影していた映像がビデオの一部に組み込まれるという。
同社のチームに所属するスケーターが出演者の大半を占める中での起用だったこともあり、「契約に大きく近づいた」と手応えを感じている。最終的には同社とのプロ契約が最大の目標で「自分の名前が入ったシグネチャーモデルを出したい」と抱負を語った。
冨川は12月上旬に開かれるビデオの試写会に参加した後、帰国する予定。




















