災害用特殊ポンプ開発進む 実証実験で効果確認 実用化へ来月市内でも実験 とませい

災害用特殊ポンプ開発進む 実証実験で効果確認 実用化へ来月市内でも実験 とませい
災害用特殊ポンプのホースをショベルカーに取り付けた実証実験=北見工業大学敷地内(とませい提供)

 苫小牧市新開町の清掃業、とませいは、2020年11月にむかわ町などと締結した5者連携協定を基に、災害用特殊ポンプの開発を進めている。今年10月に北見市で実証実験を行い、ポンプが土砂を吸う距離などを計測した。実用化に向けて12月に苫小牧市でも実験を行い、22年度の販売開始を目指す。

 5者協定は同社と同町、苫小牧高専、北見工業大学、むかわ地域商社「M Dino(エムディノ)」が締結した。同社が持つコンクリートポンプの特許技術を生かした特殊機械の製品化を目指し、研究開発を進めている。昨年も北見工大の敷地内で土砂災害を想定した災害用特殊ポンプの実証実験を行い、厚さ5センチであれば18平方メートル分を約30分で回収できる結果が出た。

 特殊ポンプは、建設現場で使用されるコンクリートポンプのバルブやホッパー部を改良したもの。土砂災害における復旧作業の機械化と省力化を目的としている。重さが約2トンで、泥や水の圧送と吸引を可能にした。ポンプやホースは別の重機に取り付けられ、1台の機械で複数の災害に対応できる特徴を持つ。

 今回の実証実験は、汚泥の長距離吸引圧送と火災、流出油回収などを想定して実施。結果として泥の吸引が60メートル、圧送が200メートル可能となり、同社新技術開発研究所の太田隆紀主席研究員は「さまざまな災害に活用でき、ポンプはすぐに商品化できる」と手応えを語る。

 7月に静岡県熱海市で発生した土砂災害のように、土石流の発生後、最初に行方不明者の捜索を行うため重機で土砂を運べず、復旧に時間がかかるケースもある。同社が開発したポンプはホースを取り付けて大量の土砂を吸い上げることで汚泥の迅速な撤去ができ、人体を傷つけず土砂を吸引できる。

 森林火災の現場でも、遠くの水源から水を吸引し、燃焼する場所に圧送する。早期の消火と消防隊員の安全確保が期待でき、タービンの力で放水する従来のポンプより、遠距離に水を飛ばすことができるという。

 すでに道や道開発局に説明を済ませており、12月には同局職員らを招いた実験を市内で行う予定。太田主席研究員は「製品はエムディノが販売する。地域の活性化にもつなげたい」と意気込んでいる。

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