職場の飲み会「不要」6割。そんな見出しの新聞記事を先日読んだ。忘年会や新年会、送別会や歓迎会などいろいろな名前の宴会を数十年がかりではしごしてきた会社員にとって6割は驚きだった。
日本生命保険の調査。2017年からの調査で、不要が必要を上回ったのは初めてだとか。新型コロナウイルスの感染拡大もあって、酒に頼らない親睦を模索する動きが広まったとの分析だ。不要と答えた人の割合が最も高かったのは「20代まで」の66%。「必要」の11%に「どちらかといえば必要」の27%を足してもはるかに及ばない。ハロウィーンの路上飲みなど、昔はなかった飲み方も現れ、酒そのものは否定されていないようだが、年輩の酒飲みとの間には高くて長い壁がありそうだ。
自分は、酒が体に合わないのか若い頃は銚子1本の日本酒が飲めなかった。それでも練習をした。練習が過ぎて体の不具合が隠せなくなり、コロナ禍の数年前から自主的宴会自粛期間に入った。良い酒飲みのつもりだが、周囲の本音の指摘は聞こえないものだ。思えば早くに他界した酒の同志や友人が多い。
先日の夜、ろれつの回らなくなった2人組から突然の電話。高校の同級生からだった。2人とも、どろどろに酔っぱらって健康のことや仕事のことを脈絡なく繰り返していた。帰宅してから嫁さんに厳しく叱られたに違いない。こっけいな言い訳を想像しながら、楽しい忘年会が心からうらやましかった。(水)









