苫小牧市末広町のエネルギー販売業、苫小牧ガス(本間利英社長)は2022年度にも、二酸化炭素(CO2)排出量が実質ゼロになるカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出ゼロ、CN)の天然ガス(LNG)を一般向けに販売する方針だ。石油資源開発(東京、JAPEX)の供給を受け、今月から末広町の本社で使っており、本間社長は「将来を見据えた取り組み。市内のCN普及に貢献したい」と意気込んでいる。
CN・LNGは、温室効果ガスの削減量や吸収量を定量化し、取引できる「クレジット」という仕組みを活用。CNガスの採掘から燃焼までの過程で発生するCO2を、他の手段で削減や吸収したCO2と相殺し、理論上はCO2排出ゼロになる。品質は従来通りで、価格はクレジット分が割高となるが、国内でも導入が進んでいる。
苫ガスは、政府が50年のCN達成を目標に掲げ、8月に市が「ゼロカーボンシティ」宣言をする中、JAPEXのCN・LNG導入を知り、「エネルギー会社としてCNに取り組む」(本間社長)と購入を決断。本間社長は「自分たちで使った上で(一般販売向けに)メニュー化したい。選択肢として示すことで、CNへの意識が高まれば」と強調する。
11月1日から本社の主に空調設備で、年間換算で約2万3000立方メートルを使用。企業向けはもちろん、一般家庭にも供給できるよう年明けにも料金メニューを作成し、PRを始める方針で、早ければ22年4月から導入する。価格増になるため需要量は未知数だが、一般家庭でも気軽にできる地球温暖化対策、CNの取り組みとして注目を集めそうだ。
国内ではCNガスの導入が進んでおり、JAPEXも10月に初めて、三菱商事の100%子会社ダイアモンド・ガス・インターナショナル社(シンガポール)からCN・LNGを購入。苫ガスや帯広ガスなど道内外6企業・自治体に供給しており、JAPEXは「まだ手探りだが、需要は一定程度ある。ニーズに合わせ(拡大の)準備をしたい」としている。
















