野党第1党の立憲民主党の代表選が終わり、泉健太氏が選出された。小選挙区は京都3区だが、高校までは道内で過ごした道産子。地方の現状にも問題意識を持っているに違いない。中道を志向する47歳の今後の指揮を注目する。
今回の代表選は、いわば党創業者の枝野幸男前代表が先の衆院選で大敗した責任を取って辞任したのに伴う、党再生に向けた動きだしの一歩。枝野氏は、衆院選を政権選択の政治決戦に位置付け、共産党などとの共闘体制を構築して小選挙区の候補一本化を図り、1強・自民に挑んだ。本道では一定の成果は見られたものの、全国では比例代表を中心に議席を大きく減らした。党の顔的な幹部さえ落選した。野党共闘で反自民やリベラルの受け皿の一つではあったが、政権の選択枝として国民の期待を得るには至らなかった。その一方で、日本維新の会は独自の存在感を示して躍進した。
思うにあの衆院選は本来、岸田政権が誕生してもその前の菅、安倍両政権の総括をする機会でもあった。けれども野党共闘の在り方も機も熟していない中で、政権選択が前面に出たために大事な争点とすべきだった菅、安倍政権総括は霧消し、ぼやけた選挙で終わった気がする。
負の遺産と言うとき、1強政治の弊害を思う。政治には緊張感が要る。躍進した維新、再生を図る立憲は、あくまで権力監視は怠ることなく、強大な自民との権力闘争、政策の言論闘争を繰り広げてほしい。(司)









