独自に赤潮調査 苫小牧漁協 10月から定期的に 苫小牧沖合では兆候なく一安心

苫小牧沖で海水を採取する公社職員

 道東や日高の太平洋沿岸で赤潮の深刻な被害が発生した問題を受け、苫小牧漁業協同組合(伊藤信孝組合長)は独自のモニタリング調査を展開している。公益社団法人北海道栽培漁業振興公社(札幌市)が協力し、10月から定期的に苫小牧沿岸のプランクトン濃度などを測定。これまでの調査で赤潮は確認されていないが、同漁協は「当面は調査を続け、安心な前浜を証明する」と強調している。

 同公社が協力する赤潮調査としては、単独漁協では道内唯一の取り組み。本来なら国や道が進める事業だが、道東など被害が甚大な地域の対応に追われているのが実情。9月下旬に道東で赤潮が発生し、秋サケが大量死したのを受け、危機感を持った同漁協は10月7日を皮切りに、1~2週に1回ペースで苫小牧沖合で海水を採取。札幌市の民間調査会社に送り、プランクトン濃度を測定している。

 調査地点はホッキ貝、秋サケ定置網漁の漁場を中心に、苫小牧沿岸の東西両端、並びに中央部分の計4カ所。11月29日まで計5回、調査した。

 このうち11月29日の調査では、第65政進丸(吉田進船長)に同公社調査事業本部員2人が乗り、4カ所で海水を採取。ホッキ漁場では苫小牧沖約500メートル、水深約7メートルの地点で、海水面近くの表層部、海中の中層部の海水を採取。水温や酸素濃度、赤潮判定の基準になるクロロフィルなどを測定し、容器に移し替えた。

 同公社環境技術部の巻口範人部長は「仮にクロロフィルが高ければ、調査を重点的に行おうと考えているが、これまでも、きょうも基準値以内」とほっと一安心。「苫小牧で赤潮は確認されていないが、何かあってからでは遅い。モニタリング調査はとても重要」と全面的に協力する。

 これまでの調査では、プランクトン濃度はすべて基準値以内で、赤潮発生の兆候も見られなかった。一般的に赤潮プランクトンは、海水温の低下で抑制される。道東の赤潮は収束に向かっているとの分析もあるが、当面は定点観測を継続する方針。調査には1回約20万円掛かるため、監視体制の強化には国や道などの支援が不可欠だ。

 同漁協の赤澤一貴総務部長は「前浜の資源を守ることが大事。仮に赤潮が発生した場合でも、ホッキを漁場から漁場に移すなど、何かできることはあるはず」と話し、「調査することで『苫小牧は問題ない』と知ってもらえ、漁業者も安心して漁をすることができる」と力を込める。

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