【カッパーマウンテン(米コロラド州)時事】スノーボードのハーフパイプは、9日に米コロラド州カッパーマウンテンでワールドカップ(W杯)今季開幕戦の予選が行われ、本格的に五輪シーズンがスタートした。今季の男子は大技の「トリプルコーク」の成否がカギを握るとみられており、11日の決勝にも注目が集まる。
エアでは横回転に縦2回転を加える「ダブルコーク」が知られるが、「トリプルコーク」は縦にさらに1回転。ダブルコークよりも高さが必要で着地も難しくなる。一部のトップ選手が挑戦をにらみ、平野歩夢(TOKIOインカラミ)は「どこかのタイミングで使える状態にしていければ」。平野流佳(太成学院大)は「やらないと五輪は絶対に優勝できない」とみている。
欧州での強化合宿では、平野歩や戸塚優斗(ヨネックス)らが「トリプルコーク」を練習で着地し、海外勢を驚かせた。国際スキー連盟の公式サイトは「ハーフパイプの可能性に新たな基準を打ち立てた」と記載。五輪3大会金メダルのショーン・ホワイト(米国)らも習得に取り組んでいる。
2010年バンクーバー五輪では、ホワイトが「ダブルマックツイスト」を披露し、14年ソチ五輪はユーリ・ポドラドチコフ(スイス)が縦2回転、横4回転のエアで金メダルを獲得。大技が新たな歴史をつくってきた。ポドラドチコフは新技誕生のタイミングについて、米メディアに「不思議といつも五輪の直前なんだ」とコメントした。公式戦で史上初とされる「トリプルコーク」成功の瞬間は近づいている。

















