国会議員の文通費

国会議員の文通費

 国会議員に支給される文書通信交通滞在費(文通費、月額100万円)の支給実態を知るにつけ、常識外れにも程があるとあきれる。改善に向けた与野党の協議が続くが、21日までの臨時国会会期末までに、より厳格化した内容に改まるか不透明な状況だ。

 文通費が問題となったのは、10月31日投開票の衆院選で初当選した日本維新の会の新人議員の指摘が発端。在職わずか1日で満額の100万円が支払われたことに、インターネット交流サイト(SNS)で疑問を呈した。これに多くの人が反応、「新人や元職は実質活動していないのに満額支給はおかしい」との声が上がり、与野党で関連法案改正の動きにつながった。

 これまでの与野党協議では、文通費を日割り計算することで一致したものの、使途の公開では意見が対立。野党は地方議会と同様に領収書の添付を求めているのに対し、与党は「議員の処遇や身分にも関わる問題」「もっと議論を深めるべし」として使途の公開には消極的だ。

 文通費は現在、何に使ったか報告義務がなく、使わなくても返納する必要もない。議員歳費と違って税金もかからず、国会議員の「第二の給料」とも言われる。与党は「日割り」最優先で、使途公開など一致しない点は「おいおい」「そのうちに」と先送りをもくろむ。

 「『そのうちに』を口癖にしている人は、永久に『そのうち』を繰り返す」。中国の思想家、朱子の言葉である。(教)

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る