苫小牧市音羽町の主婦池田裕子さん(48)は自宅周辺や海岸でほぼ毎日ごみ拾いをしながら、落ちていたごみを主人公にしたショートストーリーをSNS(インターネット交流サイト)で発信している。「ごみのポイ捨て問題をあまり堅苦しくならずに伝えられないか」と10月ごろからスタート。このストーリーを軸にした絵本制作の構想も持ち上がっている。
池田さんがごみ拾いを始めたのは、今年6月ごろ。地域の海岸清掃や環境保全の啓発活動に取り組む市内日新町のNPO法人代表畠山俊彦さん(46)と知り合ったことがきっかけだった。何気なく歩いていた自宅周辺の道路にもごみが散乱していることに気付き、活動に着手した。
しかし、いくらきれいにしても数十分後にまたごみが散乱していたり、毎日決まった場所に同じごみが捨てられていたりと、努力を踏みにじられる事態にたびたび遭遇。当初は身勝手な振る舞いに池田さんは怒りを募らせたが「負の感情だけでは、活動は続かない」と考えるようになったという。
そんなある日、道に点々と落ちているごみを見つけると「お絞りで手を拭き、菓子やおにぎりを食べ、飲み物を飲み、最後にたばこを吸った」という捨てた人の行動が手に取るように分かり、「少し面白く感じた」と池田さん。これにヒントを得て、ポイ捨てする人やごみをキャラクター化し、活動で感じたことをSNS上でショートストーリー仕立てにして発信し始めた。
登場キャラクターは「マスクん」(マスク)、「缶多」(空き缶)、「ペットちゃん」(ペットボトル)、「ペーパーさん」(紙ごみ)など多彩。キャラクターたちがポイ捨てする人物「ステオ」や「ステコ」に憤ったり、道に落ちているマスクんが「自分は地球を風邪から守っている」と語り掛けたりと、ポイ捨て被害の深刻な状況をユーモアと皮肉を込めて伝えてきた。
この取り組みにより、池田さんは「ポイ捨て問題と冷静に向き合うことができるようになり、活動を継続する意欲が湧いた」と強調。さらに長女の美月さん(17)が池田さんやキャラクターたちをイラスト化してくれたことで、「楽しんでストーリーを考えることができるようになった」と話す。
池田さんの情報発信に、畠山さんは「物語がとても面白い上、美月さんのイラストも完成度が高くて感動した」と絶賛。池田さん親子の作品を軸に、海のごみに着目したオリジナル絵本の制作を構想しているという。
日々、発信を続ける池田さんには、気を付けていることがある。それは、「ステオ」を極悪人に描かないこと。「ポイ捨てする人を憎むのではなく、どうすればポイ捨てのない社会をつくれるか考えることが重要。自分の発信をきっかけに、多くの人にこの問題について考えてもらえれば」と力を込めた。
ショートストーリーは池田さんのフェイスブックページで発信中。



















