北大が「鈴木章賞」創設、ノーベル賞級の研究者に、初受賞者は米英の2人

北大が「鈴木章賞」創設、ノーベル賞級の研究者に、初受賞者は米英の2人
鈴木章ユニバーシティプロフェッサー・名誉教授(北大提供)

 北海道大学の化学反応創成研究拠点(アイクレッド)は16日、化学反応開発の進歩に顕著な業績を挙げた現役世代で、ノーベル賞級の研究者を顕彰する「鈴木章賞」を創設し、初代受賞者に米国・マサチューセッツ工科大学(MIT)のスティーブン・バックワルド教授(66)と英国・ケンブリッジ大学のデビッド・ウェールズ教授(58)を選んだと発表した。

 「鈴木章賞」は2010年にノーベル化学賞を受賞した鈴木章ユニバーシティプロフェッサー・名誉教授の功績をたたえ、2020年9月、実験化学分野の「アキラ・スズキアワード」と計算理論・情報科学分野の「アイクレッドアワーズ」の2部門を東ソーの協賛で創設。化学反応開発における学術向上と同時にアイクレッドの認知度を高め、北大から世界に向け発信力を強化する。

 鈴木章賞は同賞組織委員会の下に「アキラ・スズキ・アワード」と「アイクレッド・アワード」の各選考委員を置き、委員は北大や国内外の著名な研究者で構成。21年ノーベル化学受賞者のリスト・ベンジャミン北大特任教授らが名を連ねる。賞金は1万ドル(約115万円)。

 「アキラ・スズキ・アワード」に輝いたバックワルド教授は、触媒の化学反応効率を大幅に向上させる「バックワルド配位子」を開発し応用例を広げ、創薬・材料の開発に貢献した。医薬品製造では、鈴木カップリング反応と並び頻繁に使用される炭素―窒素カップリング反応の開発者だ。「アイクレッドアワード」のウェールズ教授は、タンパク質の変化の仕方や構造が決まっていない複雑な高分子鎖が形を変えるエネルギーの解明を進めた。

 来年3月12、13の両日、米国デューク大学で開催予定の第4回アイクレッド国際シンポジウムで授賞式と受賞講演会を行う。

 鈴木ユニバーシティプロフェッサー・名誉教授は「二人に共通するのは分野を問わず研究に精進し、社会に貢献するため最善を尽くす姿であり、若い世代の模範」と強調。鈴木章賞には「優れた業績をたたえる機会として継続を期待する」とのコメントを寄せた。

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