「人のためでもあり、自分のためでもあるの」―。苫小牧市新富町の西宮町子さん(75)は、市道三条通の横断歩道付近の除雪と雪割りを20年以上続けている。若い頃に足を手術し、歩行にはつえが必要だが、「除雪は良い運動。作業を苦だと思っていない」と笑顔で話す。
西宮さんが除雪に励むのは新富町と大成町を隔てる三条通沿い。除雪用スコップやつるはしを用いて「信号機や横断歩道の周りを重点的にやっている」と言う。1回の作業に2時間以上かかることもあるが「終わって、雪解け水が排水溝に流れていくのを見ていると爽快感がある」と満足そうだ。
西宮さんは30代後半に骨腫瘍を患い、2度の手術を経験。約2年間、歩くことができなかった。何とか歩けるようになって退院し、現在の新富町の自宅に転居した後、50代から西町親交会の婦人部に加入した。交通安全母の会で通学路に立ち、冬も旗振り活動に励んだ。雪が降った後、解けてできる水たまりの中を子どもたちやバスを待つ人が歩かなければならない状況に心を痛め、三条通の除雪と雪割りを始めた。
西宮さんは宗谷管内利尻町生まれ。稚内市のおけ店で家事手伝いとして働きながら、中学校を卒業した。その経験から人のために動くことをいとわなくなったといい、「これでいいんだ。これが私だ―と強く思うようになった」と話す。
春から秋にかけてはごみ拾いや美化活動にも精を出している。夫の進さん(故人)や近隣住民が手伝ってくれたこともあるといい「一人では作業に限界がある。とてもありがたかった」と振り返る。
一年中、道行く人のために体を動かす西宮さんは「年を取っていつまでできるか分からない」と言いながらも、「やれる間は続けたい」と力強く語った。
















